![]() 血管のカルシウム沈着物に関する不安定性の定量的測度を得る方法
专利摘要:
少なくとも1つのカルシウム沈着物を含む血管内のカルシウム沈着の不安定性を示す程度を得るために、血管の少なくとも一部の画像を処理するコンピュータ実行による方法が、1つ以上のカルシウム沈着物の位置を突き止めて注釈を付けるステップを含む。前記カルシウム沈着物に関する注記から得られる情報を用いて、この方法は、a)個々のカルシウム沈着物の丸み度からの偏差の総計、b)個々のカルシウム沈着物が互いに離間される、最大で少なくともしきい値までの範囲、のどれか1つ又は両方を反映する大きさを計算するステップをさらに含む。 公开号:JP2011514186A 申请号:JP2010546327 申请日:2009-02-12 公开日:2011-05-06 发明作者:カルスダル,モルテン・エイ;クリスティアンセン,クラウス;ダム,エリック・ビー;デ・ブライネ,マルレーン;ニールセン,マッツ;ラウゼ,フランソワ・ビー 申请人:ノルディック・バイオサイエンス・イメージング・アクティーゼルスカブ; IPC主号:A61B6-00
专利说明:
[0001] 本発明は、血管のカルシウム沈着物に関する不安定性の定量的測度を得る方法に関する。] 背景技術 [0002] 心疾患(CVD)は現在のところ、先進国世界では最も一般的な死因であり、毎年約百万人がCVDによって死亡している。CVD発生率の著しい低下、健康的なライフスタイルを厳守することの普及、及び危険要素の識別と治療を実証する膨大な疫学及び介入研究(epidemiologic and interventional study)が行われている。しかしながら、CVD死亡率は深刻な状態のままである。CVDにより突然死亡する女性の2/3は、事前の徴候はなかった。] [0003] CVDリスクを評価するための潜在的な危険要素に関する極めて広い範囲は、すでに明確にされている。従って、より支配的な要素がすでに明確にされている可能性があるため、別の独立した危険要素を識別しても、患者が危険な状態にあることを十分に識別することができる見込みはない。このために、幾つかの多変量解析モデルが、母集団における危険を評価することに対して提案されている。例えば、SCORE(体系的心臓発作の危険評価)(Systemic Coronary Risk Evaluation)システムが考え出されて、CVDの危険を評価する標準的な方法が提供される。このシステムが開発されて、ライフスタイル、危険要素及びCVDを予防する治療目標が定義される。] [0004] しかしながら、このSCOREシステムや考案されている他の同様なシステムは全て、例えば年令、性別、喫煙習慣、体重、身長などの個人に関する多数の独立した変数を収集することに依存している。これらの変数は、次に、CVDの危険を評価するために計算される。これらの方法は、心臓血管システム自体の物理的な状態を考慮することを含んでいない。] [0005] 全ての主要な危険要素が明確にされていると思われるため、焦点は主要な危険要素に関する理解、分析、自動化及び単純化にシフトされている。現在のところ、大動脈カルシウム沈着に関する大きな関心は、遺伝物(heritage)、冠動脈カルシウム沈着、臨床的血管疾患、コレステロール及びうつ病に関する研究の成果に向けられている。様々な研究が、大動脈と冠動脈のカルシウムの間の相関を示している。タイプIIの糖尿病患者では、大動脈カルシウム沈着は、臨床的血管疾患に対する独立した危険要素であることが示されている。これら全ての研究から判断すると、大動脈カルシウム沈着が心疾患の重要な要素であることが明白である。] [0006] Kauppilaら(Kauppila, Polak, Cupples, Hannan, Kiel, Wilson 「New indices to classify location, severity and progression of calcific lesions in the abdominal aorta: a 25-year follow-up study」)は、セグメントに関するスコアリング・システム(segment-wise scoring system)を用いて、大動脈のカルシウム沈着の程度を判断している。このスコアリング・システムは、一般に、大動脈カルシウム沈着度合いスコアリング・システム(aortic calcification severity scoring system)「AC24」と呼ばれている。AC24スコアリング・システムの目的に対して、動脈の腰部放射線画像は、図1に示されているように、4個の腰部脊椎、L1〜L4、並びに前部壁及び後部壁の位置に基づいて8セグメントに分割される。各セグメントには、そのセグメントで見えるカルシウムの量に応じて0〜3の値が与えられる。具体的に言うと、0は大動脈カルシウム沈着がない、1は少ない散乱カルシウム沈着が大動脈の長手方向の壁の1/3未満を満たしている、2は大動脈の長手方向の壁の1/3以上〜2/3未満がカルシウム沈着されている、3は長手方向の壁の2/3以上がカルシウム沈着されている、ことを意味している。AC24のスコアに対して、後部壁及び前部壁の両方の個々の領域のスコアが合計される。] 図1 [0007] AC24スコアリング・システムは、無症状の血管疾患に対して単純で安価な評価を提供することを目的にしている。細分化方式は石灰化プラークが腰部大動脈の全体にわたって分布されるときに単に大きいスコアを発生するだけなので、セグメントに分割することは幾つかの利点がある。しかしながら、この方法は、大動脈の異なるセグメントを採点する場合、今でも臨床医の観察に大きく依存している。さらに、この方法は、個々のカルシウム沈着の度合いと広がりの間を区別していない。この点では、いずれか1つのセグメントがひどく石灰化されるか又は幾つかのセグメントが少しばかり石灰化される状態では、同様のスコアが戻される可能性がある。] [0008] 本発明の第1の態様では、少なくとも1つのカルシウム沈着物を含む血管内のカルシウム沈着の不安定性を示す程度を得るため、血管の少なくとも一部の画像を処理するコンピュータ実行による方法を提供する。この方法は、1つ以上のカルシウム沈着物の位置を突き止めかつ注釈を付けるステップ、及びa)個々のカルシウム沈着物の丸み度からの偏差の集合、b)個々のカルシウム沈着物が互いに離間される、最大少なくともしきい値までの範囲、のどれか1つ又は両方を反映する大きさを計算するために、前記カルシウム沈着物の注釈から得られた情報を用いるステップ、から構成される。] [0009] 本発明により、生物学的な表現では、血管の広い部分にわたって分布されたより大きな数の小さいカルシウム沈着物は、同じ面積にわたって数は少ないがより大きな沈着が分布している場合よりも心臓血管疾患にかかる危険がより大きいことを示すことが判明した。発明者らは、カルシウム沈着物が発育中に成長し、比較的不安定であるため、患者が心臓血管疾患の発作を生じる可能性がある危険は高いことも見出している。血管の大きさに対してその大きさが大きいため、密度の高いカルシウム沈着物は大きな懸念すべき問題であると考えられるが、結果として生じる心臓血管疾患の発作が生じる点から、全く安定しかつ安全である可能性がある。対照的に、幾つかの小さいカルシウム沈着物はそれらの大きさから深刻であるとは思われないが、それらは成長のより大きな危険と関連付けられるため、結果として生じる心臓血管疾患の発作が生じるより大きな危険をもたらす可能性がある。カルシウム沈着の境界が一層不規則になりまた円形から外れるため、個々のカルシウム沈着物の成長に対する範囲はまた増加する。] [0010] 上記で定義された方法により、本発明者らは、血管内のカルシウム沈着物の広がり及び沈着が成長する範囲の一方又は両方を考慮に入れて、カルシウム沈着物がいかに安定しているかに関する指標を提供する。] [0011] これはAC24システムと対照的である。このAC24システムでは、等しいスコアが所定の数の等しい大きさのカルシウム沈着物に対して戻される。この場合、それらが互いに隣接するか又は大動脈に沿って広がるかには関係なく、また沈着物の形状は考慮されない。] [0012] 好ましい実施形態では、1つ以上のカルシウム沈着物の位置を突き止めかつ注釈を付けるステップは、前記各カルシウム沈着物の境界の位置を突き止めかつ注釈を付けるステップを含み、かつa)及びb)の組合せを反映する程度を計算するステップは、カルシウム沈着物によって専有された面積を計算するステップ、前記各カルシウム沈着物の境界を等身大の画像で4mm〜20ミリの間に相当する距離xだけ外向きに広げるステップ、拡張されたカルシウム沈着物が占有する面積を計算するステップ、及び拡張されたカルシウム沈着面積を、前記程度を得るために拡張されないカルシウム沈着面積と比較することによって比較指数を計算するステップにより得られる。] [0013] 血管内のカルシウム沈着物の境界を拡張するステップにより、どのように個々のカルシウム沈着物が成長するかが表示される。この点で、カルシウム沈着物による境界の拡張は、カルシウム沈着物の形成に先行するが、血管の画像内では見えない分子の動作を表すことができる。個々のカルシウム沈着の境界を一定の距離だけ拡張することによって、極めて接近しかつ少なくとも互いから一定の距離内にあるカルシウム沈着物は互いの中に広がる。大きさを計算する場合、隣り合い拡張されたカルシウム沈着物の重なり面積は、1回だけ考慮される。このため、この大きさは、実際にどのようにカルシウム沈着物が成長するかを反映することができる。] [0014] 好ましいことに、この方法は、カルシウム沈着物の数を計数するステップ及び前記数により前記比較指数を重み付けするステップをさらに含んでいる。カルシウム沈着物の数を拡張カルシウム沈着面積と非拡張カルシウム沈着面積との間の比較を用いて重み付けするステップにより、血管内のカルシウム沈着及び心臓血管疾患にかかる関連付けられたリスクの程度に対して機能強化された測定方法が提供される。] [0015] 境界拡大の距離xが、実物大の画像の7ミリと10mmの間の距離に相当することが好ましい。さらに好ましいことは、距離xが実物大画像の約8.9mmに該当することである。] [0016] 健康な大動脈の典型的な直径は、約20mm〜25mmである。病気の大動脈の典型的な直径は、最大60mm〜65mmである。1つの実施形態では、カルシウム沈着の境界は、大動脈の直径の約1/6〜1/2まで拡大される。] [0017] 好ましくは、1つ以上のカルシウム沈着物の境界を拡張するステップは、各カルシウム沈着物の境界を拡張するステップを含んでいる。] [0018] 実施形態では、カルシウム沈着物の境界は、結果としておおよその距離xだけ境界を拡張する任意の適当な構造素子(structuring element)を用いて拡張され得る。] [0019] 例えば、1つ以上のカルシウム沈着物の境界は、辺長2xの正方形を用いて拡張されることができる。好ましい実施形態では、1つ以上のカルシウム沈着物の境界は、半径xの円を用いて拡張される。] [0020] 1つの実施形態では、各カルシウム沈着の境界に沿った点が、一定の距離xだけ、又はもっと短い場合は、大動脈壁又は隣接したカルシウム沈着の拡張されてない境界まで、外側に移動される。動脈壁又は隣接するカルシウム沈着物のどちらかを超えてカルシウム沈着の各面積の境界が拡張することを防止するステップにより、カルシウム沈着の起こり得る成長が実際的に予測される。] [0021] さらに及び/又は別の方法では、b)を反映する程度を計算する方法には、カルシウム沈着物の凸形ハル(convex hull)を識別するステップ、及び凸形ハルの周囲と凸形ハルの内部面積の1つを計算することによって凸形ハルを示す値を引き出すステップが含まれる。] [0022] カルシウム沈着物の凸形ハルは、カルシウム沈着物のそれぞれを囲むカルシウム沈着物の周りの最短経路を画定する。カルシウム沈着物は血管全体に広がるため、凸形ハルは増大する。] [0023] 好ましいことに、この方法は、カルシウム沈着物の全面積を示す値を計算するステップ、及びこの全面積により凸形ハルを示す値を得るステップをさらに備えている。] [0024] 別の方法では及び/又はその上、この方法は、カルシウム沈着物の数を計数するステップ、及びカルシウム沈着物の数を凸形ハルを示す値で乗算することによって得られた積を表す値を得るステップをさらに含んでいる。] [0025] 別の実施形態では、a)を反映する程度を計算する方法には、各個々のカルシウム沈着物の凸形ハルを識別するステップ、凸形ハルの周囲と凸形ハルの内部面積の1つを計算することによって各凸形ハルを示す値を引き出すステップ、凸形ハルを表す値を合計するステップ、カルシウム沈着物の全面積を示す値を計算するステップ、及びカルシウム沈着物の全面積によって凸形ハルを示す値の合計を得るステップが含まれる。] [0026] 1つの実施形態では、a)を反映する程度を計算するステップには、各カルシウム沈着物に対して、面積に対する周囲の自乗の比率を計算する結果を示す値を得るステップ及び前記比率を合計するステップが含まれる。] [0027] 別の実施形態では、a)を表す程度を計算するステップには、カルシウム沈着物の周囲の合計の自乗の、カルシウム沈着物の面積の合計に対する比率の計算結果を示す値を得るステップが含まれる。] [0028] 前述したように、本発明者らは、個々のカルシウム沈着物の周囲がより不規則になり、かつ個々のカルシウム沈着物が円形から外れるため、個々のカルシウム沈着物の成長率が高まる可能性があることを見出している。カルシウム沈着物が円形から外れるため、かつ周囲がより不規則になるため、周囲の面積に対する比率が高まる。] [0029] さらに及び/又は別の方法では、a)又はb)を反映する程度を計算するステップは、カルシウム沈着物のフラクタル次元(fractal dimension)を示す値を計算するステップをさらに含む。] [0030] 好ましくは、この方法は、フラクタル次元を示す値を計算するために、ハウスドルフ次元(Hausdorff Dimension)を計算するステップ、又はボックス計数方法(box-counting method)を用いるステップをさらに含む。] [0031] ボックス計算方法を使用するときグリッドの分解能が粗いと、大動脈内のカルシウム沈着物の広がりの表示は、カルシウム沈着物がより多く広がるのと同様にフラクタル次元が増加するように決定される。グリッドが比較的大きい場合、グリッドのより大きな割合のボックスが、カルシウム沈着物が広がる場合、カルシウム沈着物の少なくともいくらかの部分によって占有される。] [0032] ボックス計算方法を使用するときグリッドの分解能が細かい場合、個々のカルシウム沈着物の周囲の不規則性の表示は測定されることができ、またフラクタル次元は、カルシウム沈着物の周囲が一層不規則になるにつれて増加する。グリッドが比較的細かい場合、グリッドのより大きな割合のボックスが、カルシウム沈着物の周囲が不規則な場合は、カルシウム沈着物の少なくともいくらかの部分によって占有される。] [0033] さらに及び/又は別の方法では、b)を反映する程度を計算するステップは、カルシウム沈着物のエントロピーを示す値を計算するステップをさらに含む。] [0034] 全てのカルシウム沈着物が互いに極めて接近して位置付けられる場合、カルシウム沈着物のエントロピーは、カルシウム沈着物が血管の全体にわたって広げられる場合よりも低いスコアを戻すであろう。] [0035] 別の方法では及び/又はその上、b)を反映する程度を計算するステップは、カルシウム沈着物の間の距離の合計を示す値を計算するステップをさらに含んでいる。] [0036] 好ましい実施形態では、本発明は任意の血管に適用可能であるが、血管は動脈であり、さらに好ましい実施形態では、血管は大動脈である。] [0037] 上記の実施形態では、高スコアは一般に、カルシウム沈着の安定性が不足していること、また患者が心臓血管疾患の発作を生じる可能性があるより高いリスクを示している。しかしながら、測定値の逆数を得ることができる、又は他の周知の数学技術を測定値に適用して、低いスコアが安定性の不足を示すことができることは理解されよう。] [0038] 本発明は主としてディジタル画像から重要な情報を抽出する方法として定義されているが、本発明は無論、前記方法を実行するコンピュータ用の命令セットとして、又は適切にプログラムされたコンピュータとして等しく適用できる。] [0039] 本発明の実施形態は、添付の図面を参照して以下に説明される。] 図面の簡単な説明 [0040] 腰大動脈のカルシウム沈着に関する従来技術のスコアリング・システムの概略図である。 腰大動脈の下位面積におけるカルシウム沈着に関するX線写真を示す図である。 図2の腰大動脈のX線写真を示す図である。大動脈と大動脈内の個々のカルシウム沈着物の境界に注釈を付している。 大動脈の画像を示す図である。個々のカルシウム沈着物の境界は、本発明による実施形態の実施例に基づいて拡張されている。 形状の拡張を概略的に例示する図である。 異なる技術を用いて死者対生存者のオッズ比を示す図である。オッズ比は、上位10%の危険の中の患者対残りの患者に対してCVD/がんの死者対生存者に対して与えられる。差の意義は、適切に組み合わされたロジスティック回帰モデルの尤度比を用いて、p<0.05に対して*、p<0.01に対して**、p<0.001に対して***として示される。 AC24と大動脈カルシウム沈着の寸法と分布によるMACD指数に対するスコアの実施例を示す図である。MACDのみがカルシウム沈着の寸法と分布の両方に影響されることを示す。 本発明による方法の研究で使用された研究母集団と亜母集団を示す図である。] 図2 実施例 [0041] 本発明は以下に、大動脈のX線画像の分析を個々に参照して説明される。しかしながら、説明される方法は、例えば、DXA、コンピュータ・トモグラフィー(CT)、又は磁気共鳴などの大動脈の他の医用画像に適用されうることは理解されよう。さらに、本発明は大動脈の画像の分析に限定されることはない、また他の血管に対しても適用されることができる。] [0042] 分析に対して画像を準備することにおける第1のステップは、画像内で腰大動脈の壁の輪郭を描くことである。図2は、腰部脊椎及び腰大動脈の中にカルシウム沈着物4が存在する腰大動脈の部分の画像を示している。脊椎高さ寸法に対して6点が、図3に示されているように、腰椎のL1〜L4上に注記されており、またここから腰大動脈を識別及び注記することができる。大動脈の外形をどのように見出すかに関するさらなる情報は、Lauze Fらによる文献「Towardsautomated detection and segmentation of aortic calcifications from radiographs; proc of SPIEmedical imaging 2007; 6512」、Conrad-Hansenらによる文献「Quantifying calcification in the lumbar aorta on x-ray images」、及びN. Ayache、S. Ourselin、及び A. Maederによる文献「Medical Image Computing & Computer-Assisted Intervention; volume 4792 of Lecture Notes in Computer Science,ページ352-359, Springer, 2007」の中で与えられる。] 図2 図3 [0043] 第2のステップは、大動脈の中で見つけられた個々のカルシウム沈着物の概要を説明することである。境界に注記を付けることは、手作業で又は、de Bruijneによる文献「Shape particle guided tissue classification、Mathematical Methodsin Biomedical Image Analysis (MMBIA)、2006」及びConrad-Hansenらによる文献「A pixelwise inpainting-based refinement scheme for quantizing calcification in the lumbar aorta on 2D lateral x-ray images、SPIEMedical Imaging - Image Processing、2006」の中で説明されている粒子フィルタリング技術を用いて行うことができる。] [0044] カルシウム沈着物の注記に基づいて、カルシウム沈着物と大動脈の幾何学的外形に関して、下記の度合いスコア(severity score)を計算することができる。さらに、これらの注記を使用して、例えばAC24という周知のカルシウム沈着度合い点数も計算することができる。] [0045] 面積比率(Area fraction)(面積%)−カルシウム沈着物によってカバーされた投影腰部(L1〜L4)大動脈の面積の百分率。面積百分率は、大動脈の中心部分により大きな重みを与えて、プラークとルーメンとの間のインターフェースの表面積に関係する可能性があり、またこれは破裂の危険に間接的に関係する可能性がある。] [0046] 壁沈着物厚さ百分率(厚さ%)−大動脈幅に対する大動脈壁に沿ったカルシウム沈着物の平均厚さ。大動脈内にあるプラークの幅は、大動脈内の流体力学上の抵抗に、またこれによりCVDに対する主要な危険要素として周知の血圧に関係する可能性がある。] [0047] 壁比率(壁%)−カルシウム沈着物によってカバーされた腰部(L1〜L4)大動脈壁の百分率。] [0048] 長さ比率(長さ%)−カルシウム沈着物がいずれかの場所(前方、後方又は内部)に存在する大動脈の長さ比率。動脈硬化症によってカバーされた腰大動脈壁の長さ比率は、プラークとルーメンとの間のインターフェースの表面積に関係する可能性があり、またこれは破裂の危険に間接的に関係する可能性がある。] [0049] カルシウム沈着物の数量(NCD)−腰部面積(L1〜L4)における明確なカルシウム沈着物の数。カルシウム沈着物の数は、成長する可能性がある独立した病変の数に関係する可能性がある。このように、多くの小さいカルシウム沈着物は、多くの潜在的なソースが進行することを示す可能性がある。] [0050] 本発明の好ましい実施形態では、カルシウム沈着に関する注記を使用して、下記の大きさを計算する。] [0051] 形態学的アテローム性動脈硬化症分布(Morphological Atherosclerotic Distribution)(MAD)係数−目に見える石灰化プラークの面積によって分割された擬似アテローム性動脈硬化プロセスの全範囲の大きさ。このMAD係数は、全てのカルシウム沈着物の面積に基づいた大きさを提供し、またカルシウム沈着の形成に先行する目に見えない分子活性を考慮している。このため、MAD係数は、カルシウム沈着のX線で目に見える境界を超えて広がる測定を可能にする。] [0052] 要約すると、目に見えるカルシウム沈着物の全面積、すなわち各注記された境界内にあるカルシウム沈着の全面積が計算される。各明白なカルシウム沈着物の注記された境界が次に均一に拡張され、拡張されたカルシウム沈着物の全面積、すなわち各拡張され注記された境界内にあるカルシウム沈着物の全面積が計算される。MAD係数は、目に見える(拡張されない)カルシウム沈着の全面積によって分割されたカルシウム沈着の拡張された全面積の結果である。] [0053] 各カルシウム沈着物の境界に沿った点がカルシウム沈着物の中心から距離xだけ外向きに移動されると、近接しているカルシウム沈着物、すなわち距離x内にある互いの特定のカルシウム沈着物の近接部分の拡張された面積が重なり合うことになる。MAD係数は、2つ以上の隣接するカルシウム沈着物の重なり合う拡張部を1回だけ計数することによって、石灰化プラークの相対的な起こり得る成長に関係する。同様に、境界の拡張は、大動脈壁内の拡張に限定され得る。このため、カルシウム沈着が大動脈壁から距離xよりも小さい場合、境界は大動脈壁まで拡張されることができるだけである。これにより、カルシウム沈着の起こり得る拡張を実際に示す手段を得ることができる。] [0054] 個々の面積が大動脈の大きな部分にわたって分配される場合、MAD係数は一般に最大で一定のしきい値まで大きくなる。この点で、少なくとも2つのカルシウム沈着物が互いから距離xよりも小さく離れている場合、カルシウム沈着物が相対的に近いと判断される。カルシウム沈着物が全て互いから距離xよりも大きく離れている場合、拡張された境界は重なり合わない。] [0055] MAD係数は、個々のカルシウム沈着物の形態も考慮する。特に、個々のカルシウム沈着物の形状は円形から外れるため、カルシウム沈着物が拡張される比率は、同じ面積のより円形のカルシウム沈着物に対するものよりも大きい。同様に、カルシウム沈着物の周囲がより不規則になると、カルシウム沈着物が拡張する比率は、周囲がよりスムーズなカルシウム沈着物に対するものよりも大きくなる。従って、大きく拡大された沈着物は、同じ面積の円形の沈着物と比較すると、より悪い予後が生じることになる。] [0056] カルシウム沈着領域の起こり得る成長を例示する本発明の実施形態の実施例が、図4に示されている。第1のステップは、大動脈壁22を見つけて、各カルシウム沈着領域24の境界を注記することである。図4は、7個の明確なカルシウム沈着領域24を示している。各カルシウム沈着領域のそれぞれの境界に沿った点(図示せず)が、各点の接線にほぼ垂直な方向に外向きに延長されている。点は当初の境界から離れる方向に均一な距離だけ移動されて、図4に示されているように、結果として拡張された境界26を生ずる。] 図4 [0057] 各境界の拡張は、大動脈壁と他の隣接するカルシウム沈着物によって制限される。例えば、図4に示されているように、第1のカルシウム沈着物28の境界は、大動脈壁22の極めて近くで見つけられる。このため、その方向では、境界は最大で大動脈壁22まで拡張されるだけである。同様に、カルシウム沈着物32、34が互いに極めて接近している場合、それぞれの境界は隣接するカルシウム沈着物の当初の拡張されない境界まで拡張されるだけであり、また重なり面積が1回だけ考慮される。] 図4 [0058] 特定の実施形態では、実際の大きさ8.9mmに相当する200画素の組み合わされた半径を用いて、反復された形態拡張によって実行されるグラス−ファイア式(grass-fire equation)は、アテローム性動脈硬化プロセスの全範囲をシミュレートする。境界は、実物大の距離、例えば4mmと20mm、又は7ミリと10mmとの間の距離に相当する画素数によって拡大され得る。一般的に、健康な大動脈の直径は約20mm〜25mmである。病的な大動脈の直径は、健康な大動脈よりも太く約40ミリ〜50mmである。このため、カルシウム沈着の境界は、大動脈の直径の約1/6から1/2まで拡張され得る。分析される画像の分解能が変化する場合、境界は上記で指定された範囲内の適切な実物大の拡張に相当する適切な画素数だけ拡張され得る。] [0059] 図5は、一般的な形状40の拡張を概略的に例示している。形状40を拡張するには、例えば半径rの円42の中心が、Aの方向に形状40の周囲に沿って転動される。拡張された形状44は、円42の周囲によって決定され、その周囲は、当初の形状40の周囲から距離rだけ離れている。] 図5 [0060] この方法は、図4に示されているカルシウム沈着物24の面積に対してディジタルで実行されることができる。] 図4 [0061] 別の方法では、Kuhl、R Maas、G Himpel、A Menzelによる文献「Computational modelling of artherosclerosis - A first approach towardsa patient specific simulation based on computer topography」、BMMB 6、321-331ページ、2007年、の中で説明されているように、カルシウム沈着物の面積の成長が、カルシウム沈着物の形成の以前の実施例から学習された成長モデルに基づいて予想される。] [0062] 形態学的アテローム性動脈硬化カルシウム沈着分布(Morphological Atherosclerotic Calcification Distribution)(MACD)指数−カルシウム沈着物の数(NCD)によって重み付けされた形態学的アテローム性動脈硬化分布(MAD)係数。このMACD指数は、カルシウム沈着物の数とMAD係数をカルシウム沈着物の数によって乗算することによって得られるそれらの相対的な成長の両方を考慮している。MAD係数単独では、このMAD係数は、拡げられ、拡張された境界が重なり合わない複数の小さいカルシウム沈着物を説明しない。カルシウム沈着におけるカルシウム沈着物の数を含めることにより、血管内のカルシウム沈着の考えられる進行及び関連する心臓血管疾患が進行する危険に対する機能強化された測定法を得ることができる。この点では、生物学的な用語で言うと、血管の大きな範囲にわたって分布した小さなカルシウム沈着物の数が多ければそれだけ、同じ面積にわたってより少ない数のより大きな沈着物が分布している場合よりも、進行する心臓血管疾患の危険がより大きいことを示す。] [0063] 慣性モーメント−質量中心の周りの各石灰化画素を回転させるために必要なエネルギー量の概算の合計。慣性モーメントを計算するためには、最初にカルシウム沈着物の全体的な質量中心を見つける必要がある。慣性モーメントは、質量中心からの各石灰化画素の距離の2乗の合計に等しい。このため、合計100個の石灰化画素が大動脈全体に多数の小さいカルシウム沈着物の形態で広がっている場合、これは100個の石灰化画素が1個のより大きな石灰化画素の形態を取る場合よりも結果として大きな慣性モーメントが生ずる。慣性モーメントは、石灰化画素(従って、カルシウム沈着物)の間隔を、それらの形状にほとんど依存されずに、測定する方法を提供する。] [0064] カルシウム沈着が進行する可能性がある危険を示すより有効な方法を提供するため、慣性モーメントはカルシウム沈着の全面積の大きさで又はNCDで乗算されうる。] [0065] 凸形ハル−全てのカルシウム沈着物を含む凸集合。凸形ハルは、カルシウム沈着物のそれぞれを囲むカルシウム沈着物の周りの最短経路に等しい。凸形ハルの周囲又は凸形ハル内の面積を計算することにより、カルシウム沈着物の広がりの大きさが提供される。この値は、カルシウム沈着物がより大きく広がるにつれて増加する。心臓血管疾患を引き起こす可能性がある危険に対するより有効な手段を得るために、凸形ハルをカルシウム沈着物の数又は全石灰化面積で乗算することができる。] [0066] 個々のカルシウム沈着物の凸形ハルを計算することもできる。個々のカルシウム沈着物の凸形ハルは、そのカルシウム沈着物の周りの最短経路に等しく、またこれにより、個々のカルシウム沈着物の不規則性の表示を与える。カルシウム沈着物の丸み率からの集合的な偏差を示す有用な方法を提供するために、カルシウム沈着物の全面積で分割された個々のカルシウム沈着物の凸形ハルを示す周囲又は面積の合計の大きさが得られる。] [0067] 形状指数−個々のカルシウム沈着物の周囲と面積との間の関係の程度。1つの実施形態では、形状指数の合計は、各カルシウム沈着物の面積に対する周囲の2乗の比率を計算し、その比率を合計することによって得られる。 もう1つの選択肢として、好ましい実施形態では、全てのカルシウム沈着物の総合形状指数は、全面積に対するカルシウム沈着物の周囲が2乗された合計の比率として計算される。] [0068] 各カルシウム沈着物の周囲がそれぞれの面積と比較して増加すると、形状指数も増加する。このため、個々のカルシウム沈着物が円形から外れるにつれて、また個々の周囲がデコボコがあるため増加するにつれて、形状指数も増加する。] [0069] フラクタル次元−パターンが空白詰めであるかどうかの目安を提供する。粗い分布では、カルシウム沈着物がより大きく広がるにつれてフラクタル次元が増加するように、大動脈内のカルシウム沈着物の広がりの表示が確認される。ボックス計数方法を使用することにより、グリッドが比較的大きい場合、グリッドのより大きな割合のボックスが、カルシウム沈着物が拡張されるならば、カルシウム沈着物の少なくとも幾つかの部分によって占有される。] [0070] 分解能が細かい場合、個々のカルシウム沈着物の周囲の不規則性の表示を確認することができ、またカルシウム沈着物の周囲が一層不規則になるにつれて、フラクタル次元が増加する。ボックス計数方法を使用すると、グリッドが比較的細かい場合、グリッドのより大きな割合のボックスが、カルシウム沈着物の周囲が不規則であるならば、カルシウム沈着物の少なくとも幾つかの部分によって占有される。] [0071] エントロピー−大動脈内の石灰化画素の不規則の程度。所定の分解能、例えば4x4画素グリッドでは、4x4平方ごとに石灰化画素の数が計算される。各4x4のタイルがIで識別され、石灰化画素の数n(i)を有すると仮定すると、石灰化画素の総数はN=sum_i n(i)となる。石灰化画素がi番目のタイルに属する確率は、この場合、p(i)=n(i)/Nとなる。この分布のエントロピーは、H=sum_i−p(i)log p(i)log p(i)となる。全ての石灰化画素が幾つかのタイル内に入る場合、石灰化画素の数は少ない。カルシウム沈着物がもっと広がっている場合、その数は増加する。] [0072] カルシウム沈着物間の距離の定量化−個々のカルシウム沈着物間の間隔の大きさ。一例として、これは2つのカルシウム沈着物の最も近い点間の標準的なユークリッド距離を用いて、全てのカルシウム沈着物間の最小の全域木を作ることによって測定されることができる。個々のカルシウム沈着物の最も近い点間の距離の合計は、大動脈内のカルシウム沈着物の広がりを測定するために使用されることができる。] [0073] 前述された各測定方法は、大動脈内のカルシウム沈着の度合いを示す手段を提供するために、別個に使用されることができる。しかしながら、結果を検証するために、又は反復可能な結果を提供するために、異なる方法を組み合わせて使用することができる。] [0074] 前述されたように、種々の方法で得られたスコアは、カルシウム沈着の安定性が減少し、またこれによりCVDの発作が発生する危険が増加するにつれて増加することが予想される。しかしながら、同様に有用な結果が種々の数学式を用いて得られて、大動脈内のカルシウム沈着の安定性が減少するにつれて減少する又は種々の方法で動作する可能性がある結果を得ることができることは理解されよう。] [0075] 前述された情報を用いて、発明者らは、大動脈のカルシウム沈着から自動イメージ分析によって取り入れられた情報(例えば、数量、長さ、幅、形態及びパターン)が、加速される動脈硬化や関係する不利な結果が増大するリスクの中で、閉経後の女性の識別を容易にできるかどうかを研究してきた。SCOREカード又はフレイミンガム式ポイント・スコア(Framingham point score)、又はコレステロール又はトリグリセリド・レベルなどの個々の危険要素といった一般的なリスク評価技術が、CVD関連の死亡の予測に関して進歩した画像分析又は動脈硬化性カルシウム沈着に対して、X線撮影によってさらに別の情報がもたらされるかどうかがさらに研究された。] [0076] 大動脈プラークのカルシウム沈着は、長期にわたる分子イベント(molecular event)の末期であり、結果として石灰化線維脂肪プラークに成熟する。この石灰化線維脂肪プラーク(calcified fibro-fatty plaque)には炎症、マクロファージ浸潤(macrophage infiltration)、泡沫細胞生成(foam cells generation)、脂質蓄積及び処理及び平滑筋細胞アポプトシス(smooth muscle cells apoptosis)が含まれるが、これらに限定されることはない。これは結果として付与コラーゲン合成(imparted collagen synthesis)及び血管完全性(vascular integrity)を生じ、後で結果として弱まった繊維性キャップ(weakened fibrous cap)を生成し、またより破裂しやすいアテローム硬化性プラーク(atherosclerotic plaque)を発生する。重要なことは、X線撮影で検出及び分析されるカルシウム沈着物は石灰化コアのみに限定され、周囲の壊死組織や高いリモデリング(remodelling)及び線維症領域を含まない。このため、病理領域は、X線撮影による単純なカルシウム沈着測定では過少評価される。] [0077] 従って、前述されたように、好ましい実施形態では、本発明の発明者らは、数学的モデリング及びパターン認識により領域強調法(area enhancement)を使用する。この方法ではプラークの形態や生態に特別な配慮が与えられて、例えば、数量、長さ、幅、形態及びパターンを用いるフレイミンガムのシステムによる従来のアテローム動脈硬化得点(atherosclerotic scoring)を使用して、相対的な危険を測定できるようにする。] [0078] MAD係数や他の基準を用いる特定の研究が、以下に説明される。研究の母集団は、以前疫学コホート(epidemiologic cohort)に参加した年令が48から76才の308人の女性から構成された。最初の母集団は、アンケート調査によって採用された。これらの女性は、2000〜2001年に追跡調査するために招かれた。再診のために招かれた8593人の女性の中から308人が無作為に選ばれた。選ばれた女性は全て最初の診察から8〜9年の間隔が空いており、閉経期後であり、また診察時に放射線写真で見える腰動脈を有している。これらの308人の女性の中の52人が、再診の前に死亡した。これらの52人の中で20人(38%)がCVDで死亡し、27人(52%)ががんで、5人(10%)が他の原因で死亡した。観察期間内で死亡した52人の情報は、100%の追跡率でデンマーク厚生省(Danish Ministry of Health)の中央登録事務所(Central Registry)を経由して得られた。] [0079] ベースラインで収集された人口統計学的指標及び危険パラメータは、年令、体重、肥満度指数(BMI)、ウエスト及びヒップの周囲、心臓収縮期及び拡張期の血圧、治療された高血圧、治療された糖尿病、喫煙、通常のアルコール及び1日のコーヒー消費量、及び1週間のフィットネス活動であった。血液分析器を用いて、空腹時グルコース及び脂質特性(総コレステロール、トリグリセリド、HDLOコレステロール(HDLOC)、LDLコレステロール(LDL−C)、アポリポ蛋白(apoA及びapoB))が得られた。] [0080] 腰大動脈の横方向のX線写真(L1〜L4)が記録された。画像は、Vidar Dosimetry Pro Advantage社のスキャナを用いてディジタル化され、画素寸法が正方形の44.6μmで12ビット・グレースケールの9651x4008画素の分解能が提供された。訓練を受けた放射線専門医が、Matlabのプログラミング環境を用いて書かれた注記ソフトウェアを用いて、Sectra社の放射線リーディング・ユニット上で、ディジタル画像に注記を加えた。放射線専門医は、L1〜L4の脊椎高さ測定に対して使用される4個の端点と2個の中外側点に注記を加え、次に大動脈の輪郭を描き、最後に腰大動脈内に見える個々のカルシウム沈着物の全てに輪郭を描くように指示されている。使用されるソフトウェアは、注記を編集しかつ注記を正確に行うために、ディジタル・ズームを行う能力を有していた。最後に、カルシウム沈着物が前方及び/又は後方の大動脈壁に関連付けられるかどうかが注意された。] [0081] 提示されたデータは、特に示されていない場合は、平均±SEMとして表される。比較するために、年令、ウエスト及びトリグリセリド濃度に対してグループが作られる。差は2者異分散学生t−検定(two-sided heteroscedastic student's t-test)によって試験される。差は、p<0.05の場合は、統計的に重要であると考えられた。] [0082] マーカの比較は、他のマーカの影響に対して1つのマーカを調整することによって実行された。調整されたマーカが生存者グループと死亡したグループに大きな差異(p<0.05)を認めた場合、マーカは付加的な情報を持っていると仮定される。マーカは、他のマーカに対して互いに調節することによって、また上記のように、付加的な情報に対して試験することによって比較される。マーカはさらに、マンテル−ヘンツェルの95%信頼区間(Mantel-Haenszel 95% confidence interval)を用いて、90%フラクタイル(90% fractile)のオッズ比によって比較される(Mantel N、Haenszel による「Statistical aspects of the analysis of data from retrospective studies of disease」、J National Cancer Inst 1959; 22(4):710-748)。オッズ比の差異は、Taroneの異種オッズ比の試験(Tarone RE 「On heterogenenity tests based on efficient scores」、 Biometrika 1985; 72(1):91-95)によって試験され、Breslow-Dayの異種オッズ比の試験の調整(Breslow NE、 Day NE 「Statistical methodsin cancer research. Volume I - the analysis of case-control studies」、 IARC Sci Publications 1980;(32):5-338)が行われる。マーカは、フィッシャー(Fisher)の線形判別分析(LDA)を用いて直線的に組み合わされる。LDAをフラクタイル分析と組み合わせる場合、LDAの重みとフラクタイルしきい値が計算され、リーブ・ワン・アウト方式(leave-one-out fashion)で評価される。p<0.05の場合、試験は統計的に有意であると判断される。] [0083] 物理的及び代謝マーカの間で、生存者と死亡者の分離がほとんどのマーカによって与えられた。すなわち、年令(p<0.001)、ウエスト/ヒップ比(p=0.005)、心臓収縮BP(p<0.001)、グルコース(p=0.03)、コレステロール(p=0.006)、トリグリセリド(p<0.001)、及びapoA/apoB(p=0.003)である。年令、ウエスト周囲及びトリグリセリド濃度によって調整された後では、下記に示されているように、どの代謝又は物理的マーカも死亡をもたらすどのような予測値も示さなかった。] [0084] ] [0085] 大動脈カルシウム沈着マーカは、全ての階層化死亡者グループ(他の原因の死亡者グループを除く)の中でかなり良く実行された。また、代謝/物理的マーカとは異なり、全ての大動脈カルシウム沈着マーカは、年令、ウエスト及びトリグリセリドによる調整の後でさえ、死亡者対生存者においてかなり高いスコアを得た。] [0086] ] [0087] 患者数が少ないため有意性は小さいが、生存者をCVD死亡者と比較すると差異は大きかった。厚さ%及び面積%は、CVDグループに対して有意義な差異を示さなかった(p=0.66、p=0.60)が、両者とも組み合わされたCVD/がんグループではわずかに有効であった(p=0.03、p=0.04)。] [0088] カルシウム沈着物の数量(NCD)は、単一マーカの中で最も高い有意性及び予測能力を提供した(p<0.001、CVD/がん)。複合MACD指数は、死亡者の全てのグループ(他の原因による死亡を除く)に対して最も高い有意性を与えた(p=0.00000008に至るまで、未調整)。] [0089] NCDの影響に対してAC24を調整した後では、生存者と死亡者との間に有意義な差異は見つからなかった(p=0.34)。しかしながら、AC24に対して調整を行った後では、NCDはなおも有意義な差異(p=0.003)を与えた。AC24又はNCDによる調整の後で有意性を維持したマーカは、MAD指数(それぞれ、p=0.03及びp=0.01)及び面積%(それぞれ、p=0.003及びp=0.02)だけであった。面積%は、NCD及びMAD係数の両方による調整の後では有意性を失った。] [0090] 表示されているNCDマーカ及び複合MACD指数は、それぞれ11.6及び19.9のCVD/がん死亡率のオッズ比を有していた。相対的に、多変量リスクSCOREカード(multivariate risk SCORE card)及びフレイミンガム・ポイント・スコア(Framingham point score)は、それぞれ5.0及び5.2の統計的に重要なより低いオッズ比を生じた。ACマーカを代謝/物理的マーカと組み合わせても、下記に示されているように、オッズ比を著しく向上させることはなかった。しかしながら、トリグリセリドは、概して、MACD指数を除いて全ての結果を向上させている。] [0091] 図6はマーカを比較している。この図では、NCDはAC24のスコアよりもかなり高いオッズ比を示している(p=0.04)。MACD指数は、NCD(p=0.37)を除いて、他のどのマーカよりも著しく高かった(SCORE p=0.02、フレイミンガム(Framingham) p=0.0004、面積% p=0.009、トリグリセリドp=0.009、総コレステロールp=0.0002)。CVD死亡への層形成が、MACD指数のオッズ比21と同じ結果を生じた。これは他のどのマーカよりも高かった(SCOREオッズ比 4.8m、p=0.04;フレイミンガム・オッズ比 2.8、p=0.006;AC24オッズ比 3.1、p=0.007;面積%オッズ比2.4、p=0.004;トリグリセリド・オッズ比 5.1、p=0.06;総コレステロール・オッズ比 4.2、p=0.03)。] 図6 [0092] MACD指数は、生存者(ROC曲線0.85以下の面積)からCVD死亡を代謝・物理的マーカよりも良く分離した(SCORE 0.80、フレイミンガム0.78、トリグリセリド0.68、総コレステロール0.76)。MACD指数と前述された任意のスコアとの組合せは、トリグリセリド濃度と組み合わされると、最大0.89のROC曲線の下の面積を結果として生じ、これにより低リスク範囲において最大の進歩が提供された。] [0093] 一般に、全ての直接ACマーカは、生存者を死亡者から分離した。しかしながら、カルシウム沈着物の数NCDは、オッズ比を見るよりはっきりした優れた分離を提供した。このことは、小さなカルシウム沈着物でさえ、やがて脆弱なアテローム硬化病変に発展するという事実に関連する。MACD指数、すなわち、NCDをMAD係数で重み付けすることは、最良の分離と最高のオッズ比を提供した。] [0094] 前述されまたMAD係数とMACD指数において使用されたプラークが形態学的に拡大することにより、以前使用されたアテローム硬化スコアリング(atherosclerotic scoring)と比較すると、患者を上位の相対的危険のグループに階層化するために有用な情報を抽出することができる。] [0095] 本発明による方法のさらに別の実施例では、発明者らは、ベースライン及び8.3年のフォローアップ後における従来の危険要素に対するMACDとAC24の関連性を調査した。これは、これらの指数の特異な性能を説明できる生物学的パラメータを識別するためである。これらの年令が48〜76才の108人の女性が、8.3±0.3年で追跡された。AACが腰部X線写真を用いて定量化された。ベースライン・データには、年令、体重、血圧、血中脂質、及びグルコース・レベルが含まれた。ピアソン(Pearson)相関係数が、関連性を試験するために使用された。] [0096] ベースラインにおいてまた全ての患者にわたって、MACDは血糖(r2=0.1、p<0.001)及び、より少ない程度で、従来の危険要素(p<0.01)に関連付けられた。ベースラインの生物学的パラメータのフォローアップ・カルシウム沈着評価に対する相関性の縦方向の分析において、発明者らはLDL−コレステロール、HDL/LDL、及びApoB/ApoA比がMACDに著しく関連している(p<0.01)ことを見出した。ベースラインとフォローアップ時の両方でカルシウム沈着を示す患者のサブセットでは、全ての患者のコレステロール・レベルは、MACD指数と大きく関連付けられていた(p<0.01)。AC24指数は、これらのパラメータに相関されていない。] [0097] 1992〜1993年に、コペンハーゲン地区に住んでいた686人の閉経後の女性が、アンケート調査を介して募集され、CVD及び骨粗鬆症の病因において多数の代謝危険要素の役割に取り組む研究に参加した。フォローアップが、8.3±0.3年後に実行された。観察期間内に死亡した95人の情報が、デンマーク厚生省の中央登録事務所を介して得られ、フォローアップ率は100%であった。129人の女性が、コペンハーゲン地区から移動したか、又はフォローアップ研究に参加することを望まないため、研究の最後に臨床データを提出しなかった。ベースラインの人工統計や危険パラメータは、これらの女性と研究を完了した女性との間に相違はなかった。] [0098] フォローアップ調査を完了した462人の女性の中で256人(55%)が、腰大動脈を見ることができる放射線写真を有していた。さらに、死亡者の中で52人(55%)が、腰部全体(L1〜L4)の大動脈を1枚の放射線写真上で見ることができるX線検査データを有していた。これら52人の死亡者の死因は、20人がCVD(38%)であり、27人ががん(52%)であり、また5人が他の原因(10%)であった。最終的なデータ・セットの中に含まれた患者の全数は、308人である。] [0099] ベースライン及びフォローアップ調査において収集された人工統計特性及び危険パラメータは、年令、体重、身長、肥満度指数(BMI)、ウエスト及びヒップの周囲、心臓収縮期及び拡張期の血圧(BP)、及び喫煙であった。空腹時グルコース及び脂質特性:総コレステロール、トリグリセリド、LDLコレステロール(LDL−C)、HDLOコレステロール(HDLOC)、アポリポ蛋白比(ApoB/ApoA)が、自動分析装置(Cobas Mira Plus, Roche Diagnostics Systems, Hoffman-La Roche)を用いて得られた。発明者らが新たに開発した大動脈カルシウム沈着指数、MACD15が、ベースラインにおいて腰大動脈からのX線写真上の石灰化大動脈プラークの外形から定量化され、そして、大動脈カルシウム沈着度合いスコア、AC24と比較された。] [0100] 腰大動脈(L1〜L4)の横方向のX線写真が記録された。画像はVidar Dosimetry Pro Advantageのスキャナを用いてディジタル化され、画素寸法が44.6μm2、12ビットのグレースケール、9651x4008画素の画像分解能が提供された。] [0101] 訓練を受けた放射線専門医が、Matlab(Mathworks社、マサチューセッツ州、米国)内で動作する注記ソフトウェアを用いて、Sectra社の放射線リーディング・ユニット上で、ディジタル画像に注記を加えた。放射線専門医は、L1〜L4の脊椎高さ測定に対して使用される6点に注記を加え、大動脈の輪郭を描き、そして腰大動脈内に見える個々の石灰化した沈着物の全てに輪郭を描き、また前部及び/又は後部の壁には手を付けないように指示されている。ソフトウェアは、編集やディジタル・ズームを行うことができた。これらの注記により、0〜24大動脈カルシウム沈着(AC24)度合いスコア;及び下記のように、石灰化沈着物の幾何学的なパターンに関連した付加的なスコアMACD:カルシウム沈着物の数(NCD)、図7に示されているように、腰部領域(L1〜L4)における識別可能な石灰化沈着物の数を自動計算することが可能にされる。] 図7 [0102] MACDは、NCD * SimulatedArea/Calcified Areaによって与えられる。SimulatedAreaにおいては、3つのパラメータだけが与えられる。カルシウム沈着の当初の面積は、一定の半径だけ増加される。増分の半径rは、母集団のサブセットである約30画像を用いて実験した結果、10画素であることが分かった。] [0103] 統計分析−データは、特に指示がない限り、平均±標準偏差として表される。ピアソン(Pearson)相関を使用して、変数間の関連性を評価した。非母数(マン−ホイットニー)試験が、表1の結果を得るために使用された。危険率が0.05のp−値に設定された。] [0104] 結果 本研究に参加した308人の女性に対する生物学的パラメータのベースライン特性が、表1に示されている。] [0105] ] [0106] ベースラインにおける全母集団の平均年令は、約60才であった。年令が極めて高くベースラインにAACがある人も含まれている。心臓収縮期の血圧、総コレステロール、LDLコレステロール、ApoB/ApoA、トリグリセリド、グルコース、及びベースラインにカルシウム沈着がない患者のサブグループ(n=165)とベースラインに大動脈カルシウム沈着がある患者のサブグループ(n=143)との間のBMIには大きな相違があった。] [0107] 図8は、ベースラインとフォローアップ調査における母集団サブグループを例示している。] 図8 [0108] 横断的分析 MACD指数が、様々な生物学的パラメータに対する横断的相関関係(cross-sectional correlation)に関してAC24スコアと比較された。ベースラインにおいて確定した腰大動脈カルシウム沈着がある患者のみを含む亜母集団Cに対する相関が、表2に示されている。] [0109] ] [0110] ベースラインのMACD指数は、ベースラインの血中グルコース・レベル及びトリグリセリドと極めて明確に相関関係にあったが、AC24スコアはそうではなかった(表2.a)。MACDとAC24は両方とも従来の危険要素ApoB/ApoA、及びLDL/HDL比と明確に相関しているが、HDLコレステロールとは相関が取れていない。横断的フォローアップ分析では(表2.b)、計算されたMACD指数とAC24スコアとの間の相違がなくなった。面白いことに、フォローアップで計算された両方の指数については、血漿グルコース・レベルに対して大きな相関が取れた。コレステロール・レベルについては、大きな相関は見られなかった。] [0111] 縦方向の分析−病気の進行及び病気の開始が分析された。] [0112] 腰大動脈内の新たなカルシウム沈着物(ND)の数と、生物学的危険要素の数の相関が取られた(表3)。] [0113] ] [0114] MACDとAC24のフォローアップ値とベースラインの生物学的パラメータとの間の関係が、表4に示されている。] [0115] ] [0116] 最初に、ベースラインにおける病気の程度に関係なく全ての生存者にわたって(SCグループ)、NCDはLDL−C、ApoB/ApoA比、LDL/HDL比、及びトリグリセリドに対して強い相関があり、病気の状態に関係なく、時間の経過につれて新たな石灰化沈着物が発生する場合、これらのパラメータは非常に重要になる。この分析では、血漿グルコース・レベルについては、有意の相関は見いだせなかった。面白いことに、病気の初期(S+)については、トリグリセリド相関の有意のボーダーラインを除いて、どのパラメータもNCDとの相関を示さなかった。] [0117] 発明者らは、総コレステロール、LDLコレステロール、及びApoB/ApoA比が、ベースラインにおいて大静脈のカルシウム沈着を示す患者の病気の進行に関連していることを見出した。] [0118] 表4は、フォローアップ(FU)MACDとAC24の様々な生物学的パラメータに対する相関を示している。] [0119] 病気の状態に関係なく病気が進行している全ての患者については、(SCグループ(n=135))FU−MACDは、ApoB/ApoA、LDLコレステロール、及びLDL/HDL比を含む血中脂質とかなりの相関関数にあるのに対して、AC24は血中脂質のどれとも相互に関連していなかった。FU−MACDとFU−AC24は両方とも、心臓収縮期の血圧とかなり相関していた。] [0120] 病気が進行している患者(グループS(n=103))については、FU−MACDは、総コレステロール、LDLコレステロール、LDL/HDL比、及びApoB/ApoAと相関していたが、FU−AC24は相関していなかった。FU−MACDとFU−AC24は両方とも、心臓収縮期の血圧とかなり相関が取れていた。] [0121] 大動脈カルシウム沈着の初期に関連する可能性がある指数の評価は(グループS+、ベースラインにカルシウム沈着がないグループ(n=32))、MACD指数又はAC24のどちらも、フォローアップ時の生物学的パラメータのどれともほとんど相関していないことを示した。] [0122] 横断的研究の主な成果は、AC24スコアのものと比較した場合、MACD指数がグルコース及びトリグリセリドのレベルに対して高い特筆すべき相関を示した(p<0.01)ことである。AC24スコアは、その2つのパラメータに対して少しも相関を示さなかった。両方のスコアは、LDL、HDL、LDL/HDL比、及びApoB/ApoA比などの従来の危険要素の残りと相関を取った場合、互角であった。さらに、フォローアップ・データを横断的に分析することにより、MACD指数及びAC24スコアは両方とも、コレステロール・レベルに対する有意な相関が取れないことを示したが、両者とも血漿グルコース・レベルに対して大きな相関を示して、病気の進行に対するグルコースの重要性を強調した。研究の横断的な部分からのデータは、MACD指数などのプラーク分布及び形態学に基づいた指数は、従来の危険要素に対するその動的な感受性の観点から、さらに別の情報を含んでいることを示している。縦方向の分析が、MACD指数及びAC24スコアに関してベースラインにおいてCVDがある又はそれがない患者の生物学的プロフィールの中に差があるかどうかを評価するために行われた。ベースラインにおいてカルシウム沈着がある又はそれがないグループで、生化学的要素の観点から大きな差が存在した。ベースラインからフォローアップまでに腰大動脈内のカルシウム沈着物の数が増加した患者のグループを分析したとき(グループSC、n=135)、発明者らはMACD指数が、AC24スコアと比較すると、総コレステロール(ボーダーライン)、LDL、LDL/HDL比、及びApoB/ApoA比などの生物学的パラメータに高く関連付けられていることが分かった。AC24スコアが心臓収縮期の血管と相関しているだけであるため、すでに石灰化プラークに侵されている患者のCVDリスクを評価する場合、MACD指数はより感受性が高い指数であることを示している。驚いたことに、フォローアップ時ではカルシウム沈着を検出できるがベースラインでは検出できない患者のグループ(S+グループ、n=32)を検査する場合、この状況は変化する。この患者のグループは、カルシウム沈着の始めの初期段階を調査するために、現在の分析で使用された。MACD及びAC24スコアのどちらも、調査された生物学的パラメータに対して有意の相関を示さなかった。明らかに注意することは、病気が進行している患者(n=103)と比較する場合、このサブグループの患者数(n=32)が少ないことである。] [0123] MACD指数対AC24スコア 検査されたサブグループの中で生物学的要素に対する相関においてMACDとAC24の観察された差が、スコアリング技術の差によって説明される。図1に示されたように、AC24とMACD指数の間には重要な差が存在する。MACD指数は等しい重みを新たに形成された沈着物に与えるが、AC24スコアには非スコア領域に分離され位置付けられた沈着物だけが含まれる。このため、MACDは石灰化プラークの数が増加するとそれに大いに影響される。さらに、MACD指数は、成長する可能性があるため、大きなプラークよりも小さいプラークを好む。これは、視覚化された石灰化コア領域から実際の石灰化コア領域だけ、全アテローム硬化領域を推定するシミュレートされたプラーク領域を分割することによって行われる。これらの2つの指数の中の重要ではあるが微妙な差は、病気が生じる及び/又は病気を進行させる要素に対して大きな生物学的影響を有する可能性がある。] 図1 [0124] MACD指数は、結果として同じスコアを発生するプラーク数及び形態学の様々な分布を有する。例えば、多数の小さいプラークは、等しい面積の大きなプラークと比較した場合、より高いスコアを有することがある。その結果、MACD指数によって評価された同じ量のカルシウム沈着物が、時間が経つにつれて大きく変化して、両者とも結果としてより低い及びより高いリスクを生じるようになる。これにより、MACD指数は、スコア及びそれによってリスクのより動的なアセスメントになる。これを支持して、最近の調査は、プラークのカルシウム含有量はある点まで破裂のリスクに比例すると示唆している。その点において、この発達したプラークは、より安定したプラークになる。この生物学的特徴は、より小さなプラークが成長する潜在力の変化に中で説明される。] [0125] 血漿グルコース及びCVDリスク 発明者らのベースラインにおける主要な研究の成果の1つは、高い血漿グルコース・レベルのMACDに対する強い相関を実証したが、AC24スコアとは相関を取れなかった。この事情は、フォローアップの横断的分析の中で変化した。この分析では、MACD指数とAC24スコアの両方が、グルコース・レベルに対して強い相関を示した。このことは、アテローム発生において、グルコースの強い素因を作る役割を示唆している。糖尿病は現在では一般的に、アテローム性動脈硬化症の主要な危険要素1つで、高血糖症は下にある要因と考えられている。糖尿病の患者は、モンケンバーグの中間硬化症(Monckenberg's medial sclerosis)と呼ばれることが多い、動脈の中間部分にはっきりしたカルシウム沈着を示すことが知られている。このことは、血管の脆化やアテローム性動脈硬化症に関連付けられている。内膜カルシウム沈着は、中間カルシウム沈着とは無関係に発生する可能性があり、逆の場合も同様である。糖尿病の患者の中では、中間カルシウム沈着は、心臓血管死亡の強い独立した予言者と思われており、特に腎臓病の患者に発生する。しかしながら、高血糖症に続く血管合併症を媒介するメカニズムは、まだ十分に理解されていない。] [0126] 血中脂質及びCVDリスク 発明者らの第2の主要な横断的な研究の成果により、血漿トリグリセリド・レベルがベースラインの横断的研究の中でMACD指数と相関がとれたことが実証されて、トリグリセリドがアテローム発生の中でかなり重要であることを一連の証拠に加えている。] [0127] リスクが大きい患者の高血清トリグリセリド(Elevated serum triglyceride)及び冠動脈疾患の因果関係として高グリセリド血の役割をこれから明らかにしなければならない。それにもかかわらず、高グリセリド血が冠動脈疾患に対する増大するリスクのマーカであるという高まる証拠がある。発明者らのデータは、研究の横断的な面と縦方向の面の両方で、この概念をさらに立証している。重要なことは、トリグリセリドがMACD指数とかなり相関しているが、AC24とは相関していないことであり、これによりこの新しいスコアリング方法の重要性と違いを強めている。] [0128] 内皮機能障害及び大血管コンプライアンスの低下が、アテローム性動脈硬化症の初期の臨床的徴候として認識されている。1つ以上の危険要素を持つ健康な女性では、代謝トリグリセリドが大血管コンプライアンスの最も有力な予言者であると報告されていた。トリグリセリドが高い患者は、代謝症候群として周知の肥満、高いインシュリン、及び高い代謝グルコース・レベルから成る特定の特徴があることが多い。] [0129] フレイミンガム心臓研究(Framingham Heart Study)は、トリグリセリドのCHDに対する相対リスクとの強い相関を報告した。フレイミンガム心臓研究からの新しい結果は、性に関係なく、高いトリグリセリド・レベル(>1.7ミリモル/リットル)及び低い高密度リポ蛋白(HDL)レベル(<1.03ミリモル/リットル)が、冠動脈疾患に著しく高い比率で関連付けられたフェノタイプ(phenotype)を構成すると示唆している。この高いトリグリセリドと低いHDLの組合せは、代謝症候群に関連付けられている。そして、これらの母集団の総コレステロールが5.2ミリモル/リットル未満又はわずかに大きいため、それらはコレステロール・スクリーニング・プログラムで見逃されてしまう。] [0130] トリグリセリドの有意性は、婦人の血管造影研究によってさらに強調される。この研究では、かなりのCADを有する患者は、CADと診断されない婦人よりも高いLDL−コレステロール、トリグリセリド及び低いHDLコレステロールを有すると報告された。ここで、かなりのCADとは、1つ以上の冠動脈内で60%よりも大きい狭窄があると定義される。47000人の男性と11000人の女性を含む17の異なる研究からのデータを統合するメタ分析は、トリグリセリドが88mg/dL(1mmol/L)増加すると、CADに対する相対リスクが男性で32%、女性で76%増加したとの結論をもたらしている。] [0131] 発明者らは、ベースラインで観察された血中脂質の強い相関が、フォローアップ時の横断的研究の中で消滅したことも強調する。発明者らは、コホートの中のリスクの大きい患者グループがMACD指数に基づいて、約20のORを示したことを前に示した。フォローアップ時の血中脂質の写真がわずかに改善していることの説明は、一部には、ベースラインとフォローアップ時の検査の7.5年の間にこのグループ内の幾人かの患者が死亡したことによる可能性がある。さらに、母集団内の年令が高くなるにつれて、血中脂質を下げる薬物投与の形態の治療がこの母集団では増加している。このことは、MACD指数とAC24スコアの両者の血中脂質に対する有意な相関が突然無くなることを理解することに有用である。発明者らは、研究母集団の中で脂質を低下する薬物治療を受けている患者の数に関する情報は有していない。] [0132] アテローム発生における血管カルシウムの重要性 プラーク破裂及びアテローム性動脈硬化症が進行するリスクに対する冠動脈カルシウムの重要性が調査され、また広範囲にわたって明確にされている。冠動脈のカルシウム沈着及びアテローム硬化性プラークの負担及びプラーク破裂や心筋梗塞の増大するリスクに対する正相関が実証される。これら及び他の研究は、冠動脈カルシウムの程度がアテローム性動脈硬化症の度合い及び臨床徴候の可能性に直接関連していることを示唆している。他方において、検出できる冠動脈カルシウムがない患者は、心臓血管徴候に対するリスクは比較的低い。冠動脈カルシウムの内容の予後の意味(prognostic significance)に関して、議論が存在する。冠動脈のカルシウム沈着は、プラーク破裂に起因する急性冠動脈イベントではなく、慢性症状の冠動脈性心臓病(CHD)により高く関連付けられている。このことは、血管内超音波検査によって支持されている。この冠動脈カルシウム沈着は、安定狭心症を有する患者と比較すると、急性冠動脈症候群を有する患者では、狭い冠動脈カルシウム沈着を示している。さらに、急性冠動脈症候群を示す患者では、血管内超音波が、安定プラークよりも事象関連冠動脈疾患(event-related coronary lesion)においてカルシウム沈着が少ないことを示した。これらの研究の成果は、血管のカルシウム沈着は急性事項(acute event)に対して保護されるが、そのプラークの安定性に関する効果は依然として不明であることの証拠として解釈されている。] [0133] カルシウム沈着の生物学的役割とリスクの写真をさらに複雑にすることは、プラークの破裂は、ある環境のもとでは、プラークの体積又は重量に関連付けられないことである。しかしながら、プラークの構造や構成は、破裂に対するプラークの素因の主要な決定要因であると思われる。破裂されたプラークの分析によると、破裂されたプラークは破裂されないものよりも高い脂質及びマクロファージ浸潤物、及び少ないコラーゲン、平滑筋細胞及びカルシウムを含む傾向があることが明らかにされた。血管のカルシウム沈着がCVDの開始又は進行に寄与する程度は、現在の状況では興味がある。冠動脈カルシウム沈着で生じる写真は、種々の変数によって影響された複雑な処理の写真である。それは、場合によっては、骨の形成に類似性がある。] [0134] 結論として、発明者らは、大動脈のカルシウム沈着MACDの正確な指数が、従来のAC24指数と比べて、心臓血管による死亡に関連したリスクに対して付加的で重要な情報を含むことができることを実証した。この指数は、高血糖のサブ・クリニカル・レベル(sub-clinical level)などのアテローム性動脈硬化症において発生する危険要素とかなり良く相関した。本研究では、各指数は重要な情報を提供した。しかしながら、MACD指数は病気の開始と進行の両方に相関したが、AC24は病気の開始に関して最適に動作した。] [0135] 本願で説明された技術は、半自動式である。しかしながら、カルシウム沈着物分析を全自動にすることができることは理解されよう。特に、カルシウム沈着の領域を識別及び分類するために、統計的画素分類法と組み合わせて、粒子フィルタリング技術を使用することによって、システムを全自動化することは可能である。] [0136] 本明細書では、特に指定されない限り、「又は」という用語は、規定された条件のどちらか又は両方が適合されるとき、真の値を戻すオペレータの感覚で使用される。これは、条件のただ1つが適合されることを要求する「排他的論理和(exclusive or)」に対立する。「構成されている(comprising)」という用語は、「から成る(consisting of)」を意味するのではなく、「含む(including)」の意味で使用される。]
权利要求:
請求項1 少なくとも1つのカルシウム沈着物を含む血管内のカルシウム沈着の不安定性を示す程度を取得するため、血管の少なくとも一部の画像を処理するコンピュータ実行による方法であって、1つ以上のカルシウム沈着物の位置を突き止めて注釈を付けるステップと、a)個々のカルシウム沈着物の丸み度からの偏差の総計、及びb)個々のカルシウム沈着物が互いに離間される、最大で少なくともしきい値までの範囲、のどれか1つ又は両方を反映する大きさを計算するため、前記カルシウム沈着物の注釈から得られた情報を用いるステップとを含む、方法。 請求項2 前記1つ以上のカルシウム沈着物の位置を突き止めて注釈を付けるステップが、前記各カルシウム沈着物の境界の位置を突き止めて注釈を付けるステップを含み、a)及びb)の組合せを反映する程度を計算するステップが、カルシウム沈着物によって専有された面積を計算するステップと、前記各カルシウム沈着物の境界を等身大の画像で4mm〜20ミリの間に相当する距離xだけ外向きに広げるステップと、拡張されたカルシウム沈着物が占有する面積を計算するステップと、拡張されたカルシウム沈着面積を、前記程度を得るために拡張されないカルシウム沈着面積と比較することによって比較指数を計算するステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 請求項3 前記各カルシウム沈着物の境界を外向きに拡げるステップが、各カルシウム沈着物の境界を拡張するステップを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。 請求項4 前記各カルシウム沈着物の境界を半径xの円を用いて拡張するステップをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。 請求項5 カルシウム沈着物の数を計数するステップ及び前記数により前記比較指数を重み付けするステップをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。 請求項6 前記b)を反映する程度を計算するステップが、カルシウム沈着物の凸形ハルを識別するステップ及び凸形ハルの周囲と凸形ハルの内部面積の1つを計算することによって凸形ハルを示す値を引き出すステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 請求項7 カルシウム沈着物の全面積を示す値を計算するステップ及び前記全面積により凸形ハルを示す値を除算するステップをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。 請求項8 カルシウム沈着物の数を計数するステップ及び前記カルシウム沈着物の数を凸形ハルを示す値で乗算することによって得られた積を表す値を取得するステップをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。 請求項9 前記a)を反映する程度を計算する方法は、各個々のカルシウム沈着物の凸形ハルを識別するステップと、凸形ハルの周囲又は凸形ハルの内部面積の1つを計算することによって、各凸形ハルを示す値を引き出すステップ及び凸形ハルを表す値を合計するステップと、カルシウム沈着物の全面積を示す値を計算するステップと、前記カルシウム沈着物の全面積を示す値によって凸形ハルを示す値の合計を除算するステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 請求項10 前記a)を反映する程度を計算するステップは、各カルシウム沈着物に対して、面積に対する周囲の自乗の比率を計算する結果を示す値を得るステップ及び前記比率を合計するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 請求項11 前記a)を表す程度を計算するステップは、カルシウム沈着物の周囲の合計の自乗の、カルシウム沈着物の面積の合計に対する比率の計算結果を示す値を取得するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 請求項12 前記a)又はb)を表す程度を計算するステップは、カルシウム沈着物のフラクタル次元を示す値を計算するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 請求項13 前記カルシウム沈着物のフラクタル次元を示す値を計算するために、ボックス計数方法を用いるステップをさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。 請求項14 前記b)を反映する程度を計算するステップが、カルシウム沈着物のエントロピーを示す値を計算するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 請求項15 前記b)を反映する程度を計算するステップが、カルシウム沈着物の間の距離の合計を示す値を計算するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 請求項16 前記血管が動脈であることを特徴とする請求項1に記載の方法。 請求項17 前記血管が大動脈であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
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